登場時は、かなりいじけた冴えない感じだった煉獄杏寿郎の父。しかし煉獄杏寿郎の父は、ある出来事で心が倒錯し今のような振る舞いになっていたようです。それは逆に考えれば鬼殺隊や煉獄杏寿郎に対する愛情が深かったとも言えるでしょう。そこら辺を見てみました。
煉獄杏寿郎(長男)【鬼滅の刃(きめつのやいば)】
鮮烈な印象に残っているのは、『夢幻列車編』で大活躍した炎柱の煉獄杏寿郎です。
その非常に熱く明朗快活な性格はまるで炎のようです。
周囲の面倒見も良く、肉体面も精神面も磨き上げられた『柱』として相応しい男です。
しかし彼にもそこそこ重い過去が判明しています。
実は煉獄杏寿郎さんの家系は代々『炎柱』を輩出してきた歴史と由緒ある一家だったのです。
ですが煉獄杏寿郎は途中から父から直接十分な稽古をしてもらえず、仕方なく自力で3冊の指南書を熟読し鍛錬をしてきました。
たった独りで考えて修行を繰り返し、自身の力だけで『柱』まで登りつめたのです。
しかし、誉高い柱の称号を手にして父に報告した時さえ、彼の父は喜ぶどころか「どうでもいい」と言い放ったのです。
そんな悲しいエピソードにも煉獄杏寿郎は負けず、「心の炎が消えることはない」と自分を鼓舞して勤めを果たしていくのでした。
煉獄槇寿郎(父)【鬼滅の刃(きめつのやいば)】
煉獄杏寿郎の父。名前は「しんじゅろう」と読みます。
実は煉獄杏寿郎の父も『元柱』であり、相当な実力を誇った剣士でした。
もともと家系的に、相当な実力の素養があることは分かりますが、その地位に至るまでには相当な努力をしてきた人です。
煉獄杏寿郎の弟の千寿郎からの回想では以前は「歴代炎柱の書」なるものを熱心に読んで伝えていたそうです。
煉獄杏寿郎の父は情熱に溢れる剣士で、息子2人を熱心に育てていたと語られています。
そんな煉獄杏寿郎の父ですが、突然酒浸りの自堕落な生活をするようになりました。
そして大切にしていた歴代炎柱の書はビリビリに破ってしまい、息子たちの稽古もつけず剣士を罵るようになりました。
急な煉獄杏寿郎の父の豹変は、杏寿郎、千寿郎に辛く寂しい幼少期を強いました。
何故、煉獄杏寿郎の父はそんなにも豹変してしまったのでしょうか?
実は煉獄杏寿郎の父は「炎の呼吸」は、はじまりの呼吸である「日の呼吸」に敵わないことをずっとコンプレックスに思って悩んでいたそうです。
瑠火の死(妻)【鬼滅の刃(きめつのやいば)】
このきっかけについて後日、煉獄杏寿郎の父自身は「自分の無能に打ちのめされている時に最愛の妻の死が重なった」ことを挙げています。
槇寿郎の妻、つまり杏寿郎の母親は病死しました。
回想のシーンでは、病床でこの世を去った妻に覆い被さるかのようにしがみついている煉獄杏寿郎の父の姿が描かれています。
このシーンから、煉獄杏寿郎の父のどうしようもない深い悲しみが伝わってきます。
妻のいない現実も原因の一つで煉獄杏寿郎の父は酒に溺れていったようです。
父の「日の呼吸」へのコンプレックス【鬼滅の刃(きめつのやいば)】
ストーリーでは彼の口から「日の呼吸」のことが語られています。
日の呼吸とは全ての呼吸の元となっている原点にして頂点の最強の技です。
煉獄杏寿郎の父は日の呼吸にはどう鍛錬しても敵わないことに絶望し、自分を無能と思い込むようになったのです。
炎の呼吸も歴史のある誇り高い呼吸法であるので、その使い手としてのプライドがへし折られたショックを感じ立ち直れなかったようです。
しかしそんな煉獄杏寿郎の父も、息子の勇姿や炭治郎との交流を経て考えが変わってきて、再び剣士としての誇りを持ちはじめます。
煉獄杏寿郎の死後、再度煉獄杏寿郎の父も産屋敷家の護衛として鬼殺隊に協力していきます。