炭治郎や伊之助と行動を共にすることが多いぜんいつ(善逸)。通称『かまぼこ隊』!!
正義感の強い炭治郎や自信過剰で戦闘好きの伊之助と比較すると、自分に自信がなくいつもネガティブ発言をしているぜんいつ(善逸)は戦いの場では、つい逃げ腰になりがちです。
しかし恐怖がマックスになり、一度意識を手放してしまえば(眠ってしまえば)本来の実力が目を覚まします。
彼は自分の才能に全く気づいていない、実は天才だったのでした。
そんなぜんいつ(善逸)が鬼殺隊に入隊した理由は?
きっかけは、惚れた女性に貢いで作ってしまった借金の取り立てに遭っているところを元鳴柱・桑島慈悟郎に肩代わりして救ってもらったという出来事からでした。
助けてもらう条件として弟子となることを約束したぜんいつ(善逸)は、雷の呼吸を極めた元鳴柱の弟子として厳しい稽古に励むことになります。
ただ元鳴柱・桑島慈悟郎がぜんいつ(善逸)を助けたのは、ただの偶然の成り行きや温情ではなく、ぜんいつ(善逸)に眠る才能を見抜いての事だったようです。
しかし、ぜんいつ(善逸)は元鳴柱・桑島慈悟郎の厳しい修行に対して努力しながらもすぐに泣き出してしまったり、何度も逃走を図ったりしては、すぐに見つかり元鳴柱の地獄のような修行に連れ戻されていました。
しかし、その後師匠から説得されながら実力を付け鬼殺隊の選抜試験に臨み合格しました。
その時の同期が、炭治郎と伊之助とカナヲと不死川玄弥です。
今回は、そこらへんを掘り下げてみました。
ぜんいつ(善逸)の技が出来るまでの経緯
ぜんいつ(善逸)は、『雷の呼吸』の継承者ではあるが、6つの型の内1つ「壱ノ型 霹靂一閃」しか会得することが出来なかったため、唯一それだけを極めて雷光にたとえられる疾さまで練り上げました。
臆病な性格なので、プレッシャーや恐怖が極限まで高まると戦いの中で気絶してしまいます。
しかしそれによって半覚醒状態に陥り、眠っていた本来の実力が発揮される天才です。
ぜんいつ(善逸)は、雷の呼吸の適性は高いが、習得出来た型はなんとその壱ノ型のみでした。
ですが、全部で6つある雷の呼吸の中でも、壱ノ型は残り全ての型の基本となる重要な型です。
痛いことや怖いこと、そして辛いことが大嫌いなぜんいつ(善逸)は、当然修行も大嫌いで元鳴柱の元から何度も逃げ出そうとしています。
しかし、決して修行をサボっていたために残りの型を身に付けられなかったわけではありません。
いくら修行しても他の型を身に付けることができずに思い悩んでいたぜんいつ(善逸)は、元鳴柱の指導も受けながら自分なりに隠れて修行をするほどに努力はしていました。
しかし、無理なものは無理だと挫けてしまいそうになるぜんいつ(善逸)。
そんなぜんいつ(善逸)に元鳴柱は、こう声を掛けます。
「お前はそれでいい、一つできれば万々歳だ」
「一つのことしかできないならそれを極め抜け」
そのように言う元鳴柱に対して、善逸は「いやじいちゃん、ちょい前までブチ切れだったじゃん」とぜんいつ(善逸)らしく心の中で文句を言ってましたが^^;
それでも、雷の呼吸の壱ノ型においては一流の技術を持つぜんいつ(善逸)。
そうです、ぜんいつ(善逸)は壱ノ型しか使えない代わりに、壱ノ型を発展させて自らを強靭な刃へと叩き上げています。
では、ぜんいつ(善逸)が放つ技をご紹介しますね。
ぜんいつ(善逸)の技『雷の呼吸』を紹介します!
壱ノ型・霹靂一閃 (へきれきいっせん)
ぜんいつ(善逸)が唯一使用できる技です。
神速の踏み込みからの居合い一閃。
鬼ですらその姿を捉えられず、ただ腰の柄に手を置いたぜんいつ(善逸)が瞬間移動したようにしか見えません。
一瞬で鬼の首を切り落としています。
ただ、直線状に突進する技なので、居合いの瞬間に敵と自分の間に障害となる物があると瞬時に技を中断させなければならないのが欠点です。
ぜんいつ(善逸)が最初に覚えてからは、何度も修正を重ねていった雷の呼吸の壱ノ型・霹靂一閃です!
霹靂というと急に雷が鳴り響く事を指しますが、霹靂一閃の名の通り、強い踏み込みを起点として雷が駆け抜けるような技です。
目にも留まらぬ速さの突進と抜刀で、鬼は視認することが出来ずに気づいたら頸を落とされている状態。
技の構えをすると同時にバチバチと迸る電撃を身に纏い、突進後は雷鳴のような音が響き渡るとてもかっこいい技です!
そんなかっこいい技なんですが、当初は意識がはっきりしている時は逃げ腰になってしまって本来の力を発揮できないため、心身ともに強くなるまでは意識を失っている間しか使用することができませんでした。
しかし、本人は記憶がないのでなんとも残念です。
壱ノ型・霹靂一閃 六連 (へきれきいっせん ろくれん)
ぜんいつ(善逸)が、壱の型を自ら進化させて完成した技で、霹靂一閃を6連続で放つことによって広範囲とあらゆる角度から攻撃することができ、壱の方の弱点を克服しています。
一つの技を極め抜いた結果、壱ノ型しか使えない善逸が自分なりに壱ノ型を進化させた結果に「霹靂一閃 六連」という驚異の六連撃が生まれました。
霹靂一閃は直線的な攻撃であるため、凄まじい速度で技を放ったとしても、反射速度に優れた鬼などには避けられてしまうという可能性が大いにありました。
そこで、霹靂一閃を六連続で放つことによって、非常に伸長した技とあらゆる角度から一太刀を浴びせることができる奇襲性を大幅に強化した技になりました。
この技は、単純に「6回放つだけ」というレベルの技術ではないことはよく見れば分かりますね。
やはりぜんいつ(善逸)は大きな才能を秘めた人であり、その才能を見抜いた元鳴柱の慧眼を窺い知ることができます。
なお、「霹靂一閃 六連」は下弦の伍が登場する「那田蜘蛛山編」で兄蜘蛛に対して使用するのが初になります。
この場面は、ぜんいつ(善逸)にまつわるエピソードの中でも屈指の見せ場になります。
アニメ版では、映像ならではの激しい雷のエフェクトと音響、そして稲妻が一瞬で縦横無尽に駆け抜けるような斬撃が非常に引き込まれる演出ですね!!
壱ノ型・霹靂一閃 八連 (へきれきいっせん はちれん)
ぜんいつ(善逸)が「霹靂一閃 六連」をさらに鍛え上げて練り出した連続技です。
作中では、鬼が棲む遊郭において炭治郎、ぜんいつ(善逸)、伊之助そして音柱・宇髄天元と、上弦の陸との戦いの中で使用されました。
鍛錬の甲斐有り、「霹靂一閃 六連」は「霹靂一閃 八連」へと進化して鬼殺隊勝利のため貢献します。
しかし、ぜんいつ(善逸)の成長はこれで終わりではありません。「霹靂一閃」には、まだ上があるのでした。
壱ノ型・霹靂一閃 神速(へきれきいっせん しんそく)
作中では「霹靂一閃 八連」と同じく、鬼が棲む遊郭での炭治郎、善逸、伊之助、そして音柱・宇髄天元と、上弦の陸との戦いの中で使用されました。
「霹靂一閃 八連」は、最速で相手を切りつけることが出来る技ですが、足の負荷が大きく使用上限が存在します。
「霹靂一閃 六連」および「霹靂一閃 八連」は、手数の増加と複雑な軌道によって、戦闘にバリエーションを持たせる役割を担っていました。
そして、ぜんいつ(善逸)が原点に帰って鍛え直した技が「霹靂一閃 神速」です!
「霹靂一閃 神速」は純粋に至高の速度を追い求めた技であり、その速さには上弦の鬼ですら動揺するほどの驚異的な速度です。
実際、物体は速度が速ければ速いほど周囲に与える衝撃波も大きくなります。
ぜんいつ(善逸)の至高の初速は、瓦礫に埋まって身動きが取れなかったはずの状態から瓦礫を吹き飛ばして突進するほどの威力を発揮しました。
そして、この「霹靂一閃 神速」で伊之助と連携して上弦の陸の片割れの頸を斬り落とすことに成功します。
「霹靂一閃」の極致に達したと言えるぜんいつ(善逸)ですが、「霹靂一閃 神速」は身体にかかる負荷も甚大で、1度の任務で2回までしか使用できません。
2回目を使用すると両足の骨が折れてしまい戦えなくなります。
まさに最後の切札といった技ですね。
漆ノ型・火雷神(ほのいかづちのかみ)
「雷の呼吸」は、ぜんいつ(善逸)の兄弟子獪岳が使用していた技も入れると本来6つの型しかありません。
しかし、この漆ノ型・火雷神はぜんいつ(善逸)が自ら生み出した新しい「7番目の型」です。
雷の火の龍のような斬撃を相手の頸一直線にめがけて放つ一撃必殺の技で、獪岳との戦いの中で生まれ、使用されました。
全部で6つの型があると言われていた雷の呼吸。
しかし、なんとぜんいつ(善逸)が編み出した7番目の型が存在します。
それは火雷神(ほのいかづちのかみ)という技で、高速で技を繰り出す獪岳の眼をもってしても斬りかかる瞬間を視認できない程の速度を持つ一撃でした。
火雷神(ほのいかづちのかみ)とは、日本の農耕民族が雷と雨を天の恵みとして信仰していた時代に生まれた雷神です。
技を繰り出した時には、斬撃と共に雷神を象徴する龍のエフェクトを伴って斬り抜けるという、映像的に非常に迫力があってかっこいい技です。
ぜんいつ(善逸)は、この技で獪岳を打倒します。
でも、「この技でいつかアンタと肩を並べて戦いたかった…」と、物悲しい表情でつぶやきました。
お互いに弟子時代は、嫌いながらも優れた点をしっかりと理解して尊敬していた兄弟子に裏切られる形で道を分かち、その兄弟子に追いつくために磨き上げた技でかつての兄弟子を倒したという、なんとも皮肉で悲しい結果で終わりました。